Web広告を学んでいると、どうしてもCTRやCPC、CVRといった広告指標に目が向きます。
しかし広告を見るユーザー側からすれば、考えていることはもっとシンプルです。
「自分にはどれが合っているのか」「他の商品と何が違うのか」「何を基準に選べばいいのか」。
この「選ぶ」という行動を考えるうえで参考になるのが、商品比較サービスのmybest(マイベスト)です。
今回はmybestの比較・検証コンテンツを、Web広告クリエイティブを考える側の視点から整理します。
この記事で分かること
- mybestがどのような商品比較サービスなのか
- 比較軸を広告の訴求へ変換する考え方
- 比較コンテンツを広告研究に利用するときの注意点
- 「WHO×選択基準」からクリエイティブを考える方法
mybestとは?
mybestは、株式会社マイベストが運営する商品比較サービスです。家電、パソコン、コスメ、生活雑貨、通信、金融サービスなど幅広いジャンルを扱い、実際に商品を購入して自社施設で比較・検証しています。マイベスト
2026年7月の公式発表では、毎月2,000商品以上を購入して検証しており、月間利用者は3,000万人規模とされています。マイベスト
Web広告の観点で注目したいのは、単に「おすすめ商品」を並べるのではなく、何を基準に商品を選ぶのかを分解していることです。
広告も最終的には「選んでもらう」ためのもの
Web広告では、クリックを獲得することだけが目的ではありません。
広告を見たユーザーが商品を知り、LPを読み、他の選択肢とも比較しながら「自分にはこれが合いそうだ」と判断して、最終的な行動につながります。
mybestも「選択」という領域に特化し、比較検証で得た商品・サービス情報をデータベースとして蓄積しています。マイベスト
ここには広告制作にも通じる考え方があります。
「おすすめ」ではなく比較軸まで分解する
例えば掃除機を広告するとします。
単に「おすすめの掃除機」と伝えるだけでは、なぜ選ぶべきなのか分かりません。
そこで商品を、
- 吸引力
- 重さ
- 静音性
- 手入れのしやすさ
- バッテリー
- 価格
といった比較軸へ分解します。
すると「軽さを重視する人」「吸引力を重視する人」「手入れの簡単さを重視する人」のように、異なる訴求が見えてきます。
広告制作では、この比較軸を訴求候補として捉えることができます。
「WHO×選択基準」で訴求を考える
さらに重要なのは、同じ商品でもユーザーによって重視する項目が違うことです。
ノートパソコンなら、大学生は持ち運びやすさ、動画編集者は処理性能、出張が多い会社員は軽さやバッテリーを重視するかもしれません。
Web広告では、
WHO(誰に)× 選択基準(何を重視するか)× 商品の事実
まで整理すると、訴求を考えやすくなります。
転職サービスでも同じです。
求人数、対象職種、対象地域、サポート内容、働き方などへ分解し、「誰が何を重視して選ぶのか」を考えれば、単に「おすすめの転職サービス」と伝えるより具体的な広告になります。
比較コンテンツは市場理解にも使える
広告案件では、まず広告主LPや公式資料を確認します。
ただし、それだけを見続けていると、広告主が強調している特徴だけに思考が寄りやすくなります。
そこで比較コンテンツを見ると、その市場でユーザーが何を比較しているのかを知るヒントになります。
例えばウォーターサーバーなら、料金、水の種類、本体サイズ、ボトル交換、契約期間、解約条件などが比較軸になるでしょう。
そこから「この市場では契約期間への不安が大きいのではないか」と仮説を作り、自分が扱う案件の公式情報へ戻って、広告訴求として使える事実があるか確認します。
つまり、
比較コンテンツ → 市場の選択基準を知る → 仮説を作る → 公式情報で確認する
という順番です。
mybestを「広告コピー集」にしない
注意したいのは、mybestの記事表現をそのまま広告へ持ってくることではありません。
見るべきなのは文章よりも、
「なぜこの項目を比較しているのか」「誰のどんな悩みに対応しているのか」「商品の違いをどう分解しているのか」
という構造です。
ランキングやNo.1表示についても同様です。比較サイトで上位だからといって、その表現を自由に広告へ転用できるとは限りません。
調査主体、対象、時期、評価基準などを確認し、広告で利用できる根拠があるかを別途判断する必要があります。
比較で理解し、広告では一つに絞る
比較コンテンツでは、多数の評価項目を詳しく説明できます。
一方、Meta広告などのクリエイティブ1枚へ、価格・性能・口コミ・保証・サポートなどを全部詰め込めば、何を伝えたい広告なのか分かりにくくなります。
そのため広告制作では、
比較によって市場を広く理解し、その中から一つの訴求を取り出す
という使い分けが重要です。
比較軸が10個見つかったから、10個を1枚に入れるのではありません。10個の中から、今回のWHOにとって重要な1つを選びます。
広告データも「比較できる形」で蓄積する
mybestは比較検証で得た情報をデータベースとして蓄積しています。マイベスト
用途は異なりますが、この発想は広告運用にも応用できます。
案件ごとにWHO、比較軸、訴求、フック、クリエイティブ、CTR、CPC、CVR、CPAなどを残しておけば、「どのユーザーに、どの訴求が、どんな結果になったか」を後から比較できます。
さらに生成AIへ過去データを渡せば、次の広告仮説を考える材料にもできます。
まとめ|mybestから学びたいのは「ランキング」より比較の設計
mybestをWeb広告の参考として見るなら、「何が1位なのか」だけを見るのは少しもったいありません。
重要なのは、ユーザーが何を基準に商品を選んでいるのかを分解する考え方です。
商品を比較軸へ分解し、
WHO → 選択基準 → 商品の事実 → 訴求 → フック → クリエイティブ
へ落とし込む。
比較サイトの情報は市場を理解する材料として使い、実際の広告表現は広告主LPや公式資料で根拠を確認する。
「どう目立たせるか」の前に「ユーザーは何を基準に選ぶのか」を考えることが、広告クリエイティブの訴求を整理する一つの方法だと理解しました。

