vMeta広告ライブラリは、競合企業がどのような広告を出しているのかを調べられる便利な公式ツールです。
訴求、フック、画像、動画、コピーなどを研究できますが、使い始めたときに勘違いしやすい点があります。
それは、広告ライブラリに掲載されている広告を見ても「成果の出る広告の正解」が分かるわけではないことです。
今回は、競合広告を調査するときに注意したい「見える情報」と「見えない情報」の違いを整理します。
この記事で分かること
- Meta広告ライブラリで分かること・分からないこと
- 「掲載中=成果が良い」とはいえない理由
- 長期掲載広告をどう見るか
- 競合広告のデザインを評価するときの注意点
- 競合調査を広告仮説へつなげる考え方
Meta広告ライブラリで見えるのは広告運用の一部分
Meta広告ライブラリでは、現在Meta上で配信されている広告をキーワードや広告主から検索できます。広告クリエイティブの内容、広告主、配信期間、Facebook・Instagramなどの掲載先も調査できます。Facebook Business
一方、一般的な商用広告について、広告費、CPA、CVR、ROAS、売上、利益など、広告主の内部データまで確認できるわけではありません。
Metaは政治・社会問題等の広告については支出額やインプレッションなどの追加情報を公開していますが、一般広告とは公開範囲が異なります。Facebook
つまり競合調査で見ているのは、広告運用全体ではなく、外部から確認できるクリエイティブと配信情報の一部分です。
「掲載されている=成果が出ている」ではない
まず注意したいのが、広告ライブラリに掲載されている広告を、そのまま成果の出ている広告だと考えることです。
掲載されていることから分かるのは、基本的に「その広告が市場へ出されている」という事実です。
例えば配信開始から数日の広告なら、新しい訴求やフックをテストしている途中かもしれません。
競合が新しくワークライフバランス訴求を始めたとしても、
「この訴求が成果を出している」
とまでは判断できません。
新しい広告を見る場合は、成果を推測するより、競合がどんな新しい仮説を試しているのかを見る方が競合研究として使いやすくなります。
「長期掲載=勝ち広告」とも限らない
掲載開始日も競合分析では気になる情報です。
数日前から掲載されている広告と、数か月掲載されている広告があれば、後者を詳しく研究してみるという考え方はできます。
ただし、
長期掲載=勝ち広告
と断定することはできません。
さらに、
長期掲載=高ROAS
とも判断できません。
長期間掲載されている理由は外部からは分かりません。主力広告かもしれませんし、少額で継続している可能性や、別の目的で配信している可能性もあります。
そのため長期掲載は、「詳しく分析してみる広告を選ぶためのシグナル」程度に考えるのがよさそうです。
「自分が好きなデザイン=良い広告」ではない
競合広告を見ていると、
「このバナーはおしゃれ」
「このデザインは格好いい」
と感じることがあります。
しかし、広告の目的はデザインそのものを評価してもらうことではありません。
WHOに対して訴求を伝え、クリックや申込みなど次の行動につなげることが目的です。
さらに、自分自身が広告のターゲットではない可能性もあります。
例えば看護師向け広告なら、
「自分ならクリックするか」
ではなく、
「想定されている看護師に、このメッセージや表現が伝わる設計になっているか」
という視点で見る必要があります。
「競合が使っている=自分も使える」ではない
競合広告で魅力的な訴求を見つけても、自分が扱う案件で同じ表現を使えるとは限りません。
競合が求人数や利用実績を大きな数字で訴求していたとしても、自分の案件に同じ事実がなければ使えません。
競合から学びたいのは数字そのものではなく、
「選択肢の多さを具体的な数字で表現している」
といった広告の構造です。
そのうえで、自分の案件やLPへ戻り、実際に根拠を確認できる情報から広告を設計します。
競合広告は完成品ではなく構造を見る
競合の長期掲載広告を見つけても、それに似せれば同じ成果が出るとは限りません。
広告成果には、クリエイティブだけでなく、商品、価格、ターゲット、配信設定、LP、オファー、市場環境、ブランド認知など多くの要素が関係します。
そこで競合広告は、そのままコピーするのではなく、
WHO → 訴求 → フック → コピー → バナー → CTA
と分解します。
「誰に、何を、どんな入口から伝えているのか」を読み取れば、自分の広告を考える材料にできます。
「事実」と「仮説」を分ける
Meta広告ライブラリを使ううえで、特に意識したいのが事実と仮説を混同しないことです。
例えば、
「この広告は数か月掲載されている」
→確認できる事実
「成果が良いから数か月掲載されている」
→仮説
「給与額がバナーで大きく表示されている」
→確認できる事実
「給与訴求が最も成果を出している」
→広告ライブラリだけでは分からない
という違いがあります。
この線引きをするだけでも、競合調査で思い込みに引っ張られにくくなります。
Meta広告ライブラリは「仮説を作る場所」
Meta広告ライブラリの役割は、勝ち広告を探すことではなく、市場でどのような広告仮説が試されているのかを調べることだと考えると分かりやすくなります。
例えば競合調査から、
「働き方に悩む看護師には、ワークライフバランス訴求が反応されるのではないか」
という仮説を作ります。
そこへ質問型のフックを組み合わせて広告を制作し、実際に配信する。
その後、CTR、CPC、CVR、CPA、ROASなどの自分の配信データを確認して、次の改善につなげます。
競合調査 → 仮説 → 制作 → 配信 → 数字で検証 → 改善
という流れです。
まとめ
Meta広告ライブラリは競合広告を研究するための便利なツールですが、成果の出る広告の「答え」が掲載されているわけではありません。
掲載中だから成果が良い、長期掲載だから勝ち広告、高ROAS、自分が好きなデザインだから良い広告、と判断することはできません。
大切なのは、確認できる事実と、そこから考えた仮説を分けることです。
競合広告を見て「これが正解」と考えるのではなく、
「なぜ、この広告主はこの広告を出しているのだろう?」
と考える。
そして、その観察から自分の広告仮説を作り、最後は実際の配信データで確かめる。
この使い方が、Meta広告ライブラリを競合調査へ活かす基本だと理解しました。
※Meta広告ライブラリの仕様は変更される可能性があります。利用時はMeta広告ライブラリ公式ページもご確認ください。

