Meta広告やアフィリエイトを学んでいると、景品表示法や薬機法など、広告に関係する法律を避けて通れません。
その中で知っておきたいのが**「課徴金」**です。
課徴金は単なる「広告審査に落ちる」といった話ではなく、一定の景品表示法違反を行った事業者に対して、金銭の納付が命じられる制度です。
広告ではCTRやCPAなどの数値を改善することも重要ですが、成果を出す前に、法律を守った表示になっていることが大前提です。
今回は課徴金の基本と、Meta広告やアフィリエイトで特に注意したい広告表現について整理します。
この記事で分かること
- 課徴金とは何か
- 景品表示法で課徴金の対象となる表示
- 課徴金額の基本的な計算方法
- Meta広告と景品表示法の関係
- アフィリエイト広告で注意したいポイント
課徴金とは?
課徴金とは、一定の法律違反に対して行政上の金銭的負担を課す制度です。
景品表示法では、商品・サービスについて不当な表示を行った事業者に対して、要件を満たした場合に課徴金納付命令が行われます。
ここで混同しやすいのが「罰金」です。
罰金は刑事罰ですが、課徴金は行政上の措置です。そのため、課徴金=罰金ではありません。
景品表示法では違反が認められた場合、誤認の排除や再発防止などを命じる「措置命令」が行われることがあり、一定の不当表示については課徴金納付命令の対象にもなります。 (環境省)
課徴金の対象になる「優良誤認」と「有利誤認」
景品表示法の課徴金制度で特に重要なのが、優良誤認表示と有利誤認表示です。
優良誤認表示は、商品・サービスの品質や内容について、実際よりも著しく優れているように見せたり、事実に反して競合商品より著しく優れているように見せたりする表示です。 (環境省)
例えば、十分な根拠がないのに「絶対に成功する」「必ず効果が出る」などと表示すれば問題になる可能性があります。
一方の有利誤認表示は、価格やその他の取引条件について、実際よりも著しく有利であるように消費者へ誤認させる表示です。 (環境省)
例えば、根拠のない「今だけ半額」や、実態と異なる通常価格を使った割引表示などには注意が必要です。
課徴金はいくらになる?
景品表示法の課徴金は、原則として課徴金対象行為に関係する商品・サービスの売上額に3%を乗じて算定します。
また、現在の制度では一定の場合に課徴金額が加算され、算定率が4.5%となる仕組みもあります。課徴金額が150万円未満の場合など、納付命令が行われないケースもあります。 (環境省)
例えば単純化して、課徴金算定の対象となる売上額が1億円で通常の3%が適用されると仮定すれば、
1億円 × 3% = 300万円
となります。
広告費に対する割合ではなく、対象となる商品・サービスの売上額を基礎として計算される点は覚えておきたいところです。
実際、消費者庁は令和7年度に10件、合計3億3940万円の課徴金納付を命じています。制度として実際に運用されているペナルティです。 (環境省)
広告表現には「根拠」が必要
広告を作るときに特に注意したいのが、効果や性能を強く訴求する表現です。
景品表示法には「不実証広告規制」があり、優良誤認に該当するか判断する必要がある場合、消費者庁が表示の裏付けとなる合理的な根拠資料を求めることがあります。
必要な資料を提出できない場合などには、措置命令との関係では不当表示とみなされ、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定されます。 (環境省)
そのため、「広告で使えそうな強い言葉だから」という理由だけで、実績や効果を付け加えるのは危険です。
広告に書く数字や実績は、説明できる根拠があるかまで確認する必要があります。
Meta広告の審査通過と法律は別問題
Meta広告にはプラットフォーム独自の広告審査があります。
ただし、広告審査を通過したことと、日本の景品表示法に適合していることは別の問題として考える必要があります。
広告運用では、
Metaの広告ルールを守ることと、
日本の法令を守ること
の両方が必要です。
そのため「Metaの審査に通ったから、この表現は法律上も問題ない」と判断しないことが重要です。
特に、効果・実績・価格・割引・ランキング・No.1表示など、消費者の判断に大きく影響する表現は慎重に確認します。
アフィリエイト広告でも景品表示法を意識する
アフィリエイト広告では、広告主ではないアフィリエイターが広告や記事LPを制作することがあります。
消費者庁も、アフィリエイト広告では広告主による表示管理が難しくなりやすく、成果報酬を求めて虚偽・誇大な広告が生じるおそれがあることを指摘しています。 (環境省)
景品表示法上の規制主体は基本的に商品・サービスを供給する事業者ですが、だからといってアフィリエイターが自由に誇張してよいわけではありません。
ASPや広告主の掲載ルールに違反すれば提携解除などにつながる可能性がありますし、広告主側にも問題を生じさせます。
記事LPや広告クリエイティブを作る側としては、広告主が提供していない実績・効果・価格条件を勝手に追加しないことが基本です。
ステマ規制違反=課徴金とは限らない
ここは元の記事から少し整理しておきたいポイントです。
ステルスマーケティングも景品表示法で規制されていますが、ステマ規制への違反そのものは課徴金納付命令の対象ではありません。
ただし、その広告に優良誤認や有利誤認も含まれている場合には、その部分が課徴金の対象となる可能性があります。 (環境省)
「景表法違反ならすべて同じ課徴金」というわけではなく、どの規定への違反なのかを分けて理解する必要があります。
広告制作で確認したいこと
Meta広告や記事LPを作るときは、強い表現を避けるだけでは十分ではありません。
例えば「No.1」「満足度98%」「通常価格○万円」「期間限定」「○人が利用」といった表現を使うなら、その数字や条件の根拠を確認することが重要です。
生成AIで広告コピーを作る場合も同じです。
AIはもっともらしい実績や数字を補ってしまうことがあります。そのため、AIはコピー案を広げるために使い、事実確認と掲載可否の判断は人間が行うという役割分担が必要になります。
まとめ
景品表示法の課徴金は、一定の不当表示を行った事業者に対して金銭の納付を命じる制度です。
特に広告運用では、優良誤認表示と有利誤認表示を理解しておくことが重要です。
Meta広告の審査を通過したからといって、日本の法律上も問題がないことが保証されるわけではありません。
実績、効果、価格、割引、ランキングなどを広告へ掲載するときは、広告主の公式情報や根拠資料を確認する。生成AIが作った数字や表現をそのまま使わない。
広告運用ではCTR・CVR・CPA・ROASなどの改善に目が向きますが、法令を守った広告であることが、その前提です。
短期的に反応の強い表現を作ることより、根拠のある情報を正確に伝えながら継続して広告を運用できる状態を作ることが重要だと考えます。
※本記事は2026年9月時点の一般的な制度解説です。個別の広告表現については、消費者庁の最新情報や広告主・ASPの規定等をご確認ください。

