前回、ブログ・検索・SNS・動画に分散したデータを一か所へ集め、将来的にAIで分析するための「全媒体データ分析基盤」を作り始めた経緯を整理しました。
しかし、実際にシステムを設計すると、次の疑問が出てきます。
「そもそも何の数字を集めればいいのか?」
GA4やSearch Consoleだけでも多くの指標があります。YouTube、Pinterest、X、Instagram、TikTokまで加えれば、取得できるデータは膨大です。
だからこそ今回は、取得できる数字をすべて保存するのではなく、「後から何を分析したいか」から逆算して必要なデータを考えることにしました。
この記事で分かること
- WordPress・GA4・Search Consoleの役割
- SNS・動画で集めたいデータの考え方
- UTMでSNSとブログをつなぐ意味
- AI分析を見据えたデータ収集の考え方
最初に必要なのは「記事そのもの」の情報
アクセス分析というとGA4やSearch Consoleから考えがちですが、その前に必要なのがWordPressの記事情報です。
例えば、記事No、投稿ID、タイトル、URL、公開日、カテゴリー、メインテーマ、更新日などです。
これらはアクセス数を分析するための土台になります。
GA4から「このURLが500回表示された」というデータを取得するだけでは、URLと数字しかありません。
記事情報と結び付ければ、
記事No → タイトル → カテゴリー → PV → 検索データ → SNS投稿
という関係を作れます。
今回の全媒体データ分析基盤でも、まず記事マスタを作り、そこへ各媒体のデータをつなげる設計を考えています。
GA4は「ブログへ来た後」を見る
GA4の役割をシンプルに整理すると、ユーザーがブログへ来た後の行動を見ることです。
ページ表示、ユーザー、セッション、エンゲージメントなどを確認できます。
さらにイベントやキーイベントを設定すれば、リンクのクリックや問い合わせなど、サイト内で発生した重要な行動も分析できます。
同じ100人の訪問でも、すぐ離脱したのか、記事を読み進めたのか、別ページへ移動したのか、成果につながったのかでは意味が違います。
GA4は単純なアクセス数だけではなく、訪問後に何が起きたのかを見るためのデータと考えると分かりやすくなります。
Search Consoleは「ブログへ来る前」を見る
一方、Google Search Consoleでは、Google検索におけるクリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位、検索クエリ、ページなどを確認できます。
つまり、Google検索で記事がどのように発見されたかを見るデータです。
例えば、表示回数は多いのにクリックされていない記事と、表示回数は少ないもののCTRが高い記事では、考えるべき改善策も違います。
検索クエリも重要です。
自分が狙ったキーワードだけではなく、実際にどんな検索でGoogleが記事を表示しているのかを確認できるため、記事改善や新しいテーマ発見にも利用できます。
GA4とSearch Consoleはセットで考える
今回の設計で特に分かりやすかった整理が、
Search Console=ブログへ来る前
GA4=ブログへ来た後
という考え方です。
Google検索で表示され、検索結果をクリックし、ブログへ来て、その後記事を読む。この一連の流れを両方のデータで追います。
例えばアクセスが減った場合でも、GA4だけでは原因を判断できません。
検索表示回数が減ったのか、掲載順位が変わったのか、CTRが低下したのか、それともSNSなど別の流入が減ったのか。
Search ConsoleとGA4を記事単位でつなぐことで、原因を段階的に確認しやすくなります。
SNS・動画は媒体ごとの反応を見る
YouTubeやPinterest、X、Instagram、TikTokも、すべてを「SNS」とまとめるのではなく、媒体ごとの特徴を残したいと考えています。
例えばYouTubeなら再生数や視聴時間、視聴維持など、Pinterestなら表示や保存、クリックなど、それぞれ見るべき行動が違います。
同じ記事から複数のショート動画を作った場合も、再生数だけで良し悪しを判断するとは限りません。
再生数は少なくても視聴が続く動画や、ブログ流入につながる投稿があるかもしれません。
そのため、複数媒体で比較できる共通指標と、その媒体固有の指標を分けて保存する設計が必要だと考えています。
UTMはSNSとブログをつなぐ橋になる
SNS側で投稿の表示回数や反応が分かっても、その投稿からブログへ何人来たのかは別の話です。
そこで使うのがUTMパラメータです。
投稿URLに流入元やキャンペーンなどを識別する情報を付けておけば、GA4側でSNSからの流入を追いやすくなります。
すると、
SNS投稿 → UTM付きURL → ブログ流入 → サイト内行動
という関係を作れます。
全媒体データ分析基盤でも、記事・SNS投稿・UTM・GA4をつなげることは重要な設計要素になっています。
数字は「日付」と一緒に残す
現在値だけでなく、時系列で数字を残すことも重要です。
PVが1,000あるという情報だけでは、最近急激に伸びたのか、過去に伸びて現在は止まっているのか分かりません。
日付とともに蓄積すれば、
「直近7日で検索表示が増えている」
「3週間連続で動画再生が伸びている」
「掲載順位は上昇したのにCTRが低下している」
といった変化を分析できます。
将来AIに分析させるなら、現在の数字以上に「数字がどう動いたか」を残すことが重要になりそうです。
「取れる数字」ではなく「答えたい質問」から決める
APIを調べると、取得できる項目は大量にあります。
しかし、すべて保存すればよいわけではありません。データが増えるほど、取得処理やデータベース、分析も複雑になります。
そこで今回重視しているのが、
「どの記事が伸びているのか?」
「どんな検索クエリから見つかっているのか?」
「どのSNS投稿がブログ流入につながったのか?」
「検索では弱く、動画では強いテーマはあるか?」
といった将来答えたい質問を先に決めることです。
必要な質問が決まれば、その答えを出すために保存すべきデータも見えてきます。
まとめ
ブログ運営で集めたい数字を整理すると、それぞれの役割が見えてきました。
WordPressはコンテンツそのものの情報、Search ConsoleはGoogle検索で発見されるまで、GA4はブログへ来た後の行動、SNSや動画は各媒体での反応、UTMはSNSとブログをつなぐ役割です。
そして重要なのは、これらを単独の数字として見るのではなく、
表示される → 反応される → ブログへ来る → 読まれる → 行動する
というユーザーの流れとしてつなげることです。
全媒体データ分析基盤で集めたいのは、単なる大量の数字ではありません。
「一つのコンテンツが、どこで発見され、どう反応され、その後どんな行動につながったのか」
を後から追えるデータです。
この履歴を継続して残せれば、最終的にはAIに「何が伸びているのか」「どこに問題があるのか」「次に何を試すべきか」を分析してもらうための材料になります。
全媒体データ分析基盤の設計では、まずこの目的を基準に、必要なデータだけを少しずつ集めていこうと考えています。

