ブログを運営していると、GA4やGoogle Search Consoleには少しずつデータが蓄積されていきます。さらにBing Webmaster Toolsまで確認すれば、Google以外の検索状況も見られます。
ただ、今回「全媒体データ分析基盤」を作る中で感じたのは、数字を取得できることと、数字から次の行動を決められることは別だということです。
そこで現在は、Pythonで取得した各媒体のデータをSQLiteへ保存するだけでなく、「どの記事を改善すべきか」を判断する材料として使える仕組みを作っています。
今回はGA4・Search Console・Bingを組み合わせることで、ブログの何が見えてくるのかを整理します。
この記事で分かること
- GA4とSearch Consoleの役割の違い
- 複数の指標から記事の課題を探す考え方
- 検索クエリを記事改善へ使う方法
- GoogleとBingを比較する意味
- AIを使って改善候補を抽出する考え方
Search ConsoleとGA4では見ている場所が違う
まず整理したいのが、それぞれのデータがユーザー行動のどこを見ているかです。
Google検索では、大まかに、
検索結果に表示される → クリックされる → 記事へ来る → 読む・行動する
という流れがあります。
Search Consoleでは、表示回数・クリック数・CTR・平均掲載順位・検索クエリなどを確認できます。Google公式でも、これらは検索結果でサイトがどのように表示・クリックされたかを見る指標として説明されています。 (Google ヘルプ)
一方、GA4では訪問後のセッションやエンゲージメントなどを確認できます。GA4の「エンゲージメント セッション」は、10秒以上継続した、キーイベントが発生した、または2回以上のページ/スクリーンビューがあったセッションです。 (Google ヘルプ)
つまり、Search Consoleで検索前後、GA4で訪問後を見ることで、記事のどこに課題がありそうなのかを切り分けやすくなります。
分析例① 表示されているのにクリックされない
Search Consoleで最初に探せるのが、検索結果には表示されているものの、クリックにつながっていない記事です。
ただし、CTRだけを見て「低いからタイトルを変更する」と判断するのは危険です。
平均掲載順位が低ければ、そもそもクリックされにくい位置に表示されている可能性があります。また平均掲載順位は、検索ごとに変わる掲載位置を平均した指標です。Googleも順位だけではなく、クリックや表示回数の変化を見ることを案内しています。 (Google ヘルプ)
そこで、
表示回数 × CTR × 掲載順位 × 検索クエリ
を組み合わせます。
比較的上位に表示されているのにCTRが低いのであれば、タイトルや検索意図との一致を確認する、といった改善仮説を立てられます。
分析例② 実際の検索クエリから不足内容を探す
Search Consoleでは、記事がどの検索クエリで表示されたのかも確認できます。Googleも、クエリをSEO改善へ利用できる情報として案内しています。 (Google ヘルプ)
これは記事公開後の改善で特に使いたいデータです。
記事を書く前に想定したキーワードは、あくまで仮説です。一方、Search Consoleに記録されたクエリは、実際にGoogle検索で記事が表示された記録です。
想定していなかったクエリで表示されているなら、
「この記事に、この検索意図への回答を追加できないか」
と考えられます。
ただし、記事テーマから離れたクエリまで取り込む必要はありません。1記事1テーマを崩さず、記事の主題と一致する検索意図だけを改善材料にすることが重要だと考えています。
分析例③ 「伸び始めた記事」を見つける
現在のアクセス数が多い記事だけでなく、最近伸び始めた記事も探したいところです。
例えば、直近7日とその前の7日を比較して、
表示回数が増えている、クリック数が増えている、新しいクエリで表示され始めている、といった変化を確認します。
開設初期のブログではクリック数がまだ少なくても、検索表示が増えていることがあります。
この段階で大幅に書き換えるのではなく、どのクエリで表示が増え、順位やクリックがどう変化するかを観察するという判断もできます。
単純なアクセスランキングではなく、「変化」を見るために時系列データを蓄積する意味があります。
分析例④ 検索流入はあるのに訪問後の反応が弱い
Search Consoleでは順調でも、GA4を組み合わせると別の課題が見えることがあります。
例えば検索クリックは増えているのに、GA4ではエンゲージメントが弱いケースです。
この場合、検索から記事へ連れてくるところよりも、訪問後に課題がある可能性を考えられます。
タイトルから想像した内容と本文がずれている、結論までが長い、スマートフォンで読みにくい、次に読む記事への導線が弱い、といった仮説です。
もちろん、GA4の数値だけで原因を断定することはできません。
それでも「SEO全体が悪い」ではなく、問題がありそうな場所を絞る材料にはできます。
GoogleとBingを組み合わせる意味
さらにBingを加えると、検索エンジンによる違いも観察できます。
ある記事はGoogleで表示が増え、別の記事はBingで相対的に反応が良い、といった違いが出る可能性があります。
ここでGoogleとBingの数字を単純に合計するのではなく、
どのテーマが両方で反応しているのか、どの記事で傾向が違うのか
を見る使い方を考えています。
GoogleとBingでは指標の定義や取得粒度まで完全に同じとは限らないため、同一の数字として扱うのではなく、それぞれの検索エンジンから見た観測結果として比較します。
最終的にはAIに「改善候補」を探してもらう
全媒体データ分析基盤で最終的にやりたいのは、人間が毎日すべての記事を確認することではありません。
例えばシステム側で、
「表示が増えているのにクリックにつながっていない」「検索流入は伸びているが訪問後の反応が弱い」「新しいクエリで表示され始めた」といった記事を抽出し、AIに改善仮説を考えてもらいます。
ただし、CTR○%以下ならリライトのような単純な基準だけでは判断しません。
Search Consoleではデータの集計方法によって数値の意味も変わりますし、新しいデータは暫定値の場合もあります。 (Google ヘルプ)
これまで作ってきた「0とデータなしを区別する」「異なる粒度を無理に比較しない」といった分析ルールを守った上で、
データ → 改善候補の検出 → AIによる仮説 → 人間が確認 → 改善 → 再検証
という流れを作る予定です。
まとめ
GA4、Search Console、Bingを組み合わせる目的は、数字を一つの画面へ集めることではありません。
Search Consoleからは、検索結果でどう発見されているか。
GA4からは、訪問した後にどう利用されているか。
Bingを加えれば、Google以外の検索エンジンではどう見えているか。
これらを記事単位でつなぐことで、「アクセスが少ない」という一つの結果を、もう少し細かく分解できるようになります。
全媒体データ分析基盤も、数字を記録するだけの仕組みから、次にどの記事を観察し、どこを改善するのかを考えるための仕組みへ進めていきます。

